Direction No.90 - Migratoion Act 1958 (以下、Direction No.90 )とは、オーストラリア移民法に基づきビザの拒否・取り消しを決定するときに指針とされるべき大臣指示の一つです。
Direction No.90の基本原則は以下の通り定められています。
①オーストラリアには、人格上の懸念がある非市民の入国・滞在を拒否する権利がある。
②オーストラリアには、犯罪行為その他重大な行為に関与した人物は、オーストラリアに入国させない権利がある。
③オーストラリア社会は、政府に対して、国内外を問わず重大な人格上の懸念がある人物の入国拒否・ビザ取り消しを期待している。
④短期間のみオーストラリアに滞在する人物に対しては、オーストラリア社会で長期間過ごしている人物よりも厳しい判断基準が適用されうる
⑤ビザ承認の意思決定は、個々の事情に基づいてオーストラリア市民へ危害を与えないであろう人格評価を考慮した上でなされなければならないが、深刻な罪(後述)を犯した者に対しては、それらをもってしても十分な情状となりえない場合がある
でもご説明した通り、ビザの承認者は、オーストラリア移民法501条に定められているCharcter testを人物評価の基準として用いますが、その際の判断指針がDirection No.90として通達されています。
①~④についてはあたりまえのことが示されていますが、⑤については少し補足が必要かと思います。
オーストラリアは、女性、子供、高齢者や障碍者に対する侵害行為を重く考えており、Direction No.90内では、「非常に深刻な行為」「深刻な行為」として以下のように記載されています。
【非常に深刻】
・暴力的、性的犯罪
・女性や子供に対する犯罪
・家庭内暴力
【深刻】
・強制結婚
・高齢者や障碍者に対する犯罪
・移民収容からの逃亡
ただし、家庭内暴力については、その深刻さを判断する際に、以下を考慮すべきであるとも記載されています。
・暴力行為の頻度
・反省し、更生したかどうか
・被害者や子供に対する影響をどの程度理解しているか
・家庭内暴力の要因となったものを解決する努力
・再犯したかどうか
いずれにせよ、上に挙げた犯罪歴がある場合のオーストラリアビザ申請については、かなり厳しいものとなる可能性が非常に高く、慎重に行う必要があるでしょう。