新型コロナウイルスで世界中が大変な状況になっています。
コロナに負けずに、みなさんが健康にこの局面を乗り切っていただき、一日も早く、日本国内や海外を自由に不安なく旅行できるいつもの日常が戻ることを切に願います。
現在全世界のアメリカ大使館・領事館における非移民ビザ申請に係る領事業務は一時停止されています(郵送申請など領事との面接が必要のないビザ申請は受付可能)が、再開の目途が立つことが分かり次第、当事務所のHPやFBなどでもお知らせさせていただきます。
さて、今回はアメリカ入国時に空港や駅、港などの米国入国審査時に問題を抱える方にぜひ知っていただきたいDHS TRIP(Department of Homeland Security Traveler Redress Inquiry Program )についてお話させていただきます。
日本語では「国土安全保障省渡航者是正質問プログラム」とのこと。
DHS TRIPはアメリカ側が保有している渡航者のデータ情報が不正確である場合、またはアメリカが管理しているウォッチリストに登録されている人物と似ているまたは間違われているなどの理由やその他の根拠のない理由により、アメリカ入国時に繰り返し別室での審査を強いられる、入国手続きに時間がかかる、搭乗を拒否される、または入国拒否されるなどの問題を抱えている方のための苦情・質問受付および解決策をもとめるための窓口です。
以前当事務所でご相談をお受けしたAさん(男性)は、これまでESTAで米国に渡航した際、2回連続で入国審査時に別室に連れていかれました。過去に犯罪歴や不法滞在歴、ビザ申請却下歴などのトラブルは一切なくESTAも問題なく認証されていました。数時間の拘束後無事に入国はできたものの今後別室に連れていかれることなくスムーズに入国するためにはどうしたらいいかとのご相談でした。
このような場合は、アメリカ側が保有してる個人のパスポート情報や指紋情報などが何らかの理由で間違って記録されている、またはアメリカが保有しているウォッチリストの人物の情報と似ているなどが原因となっていることが考えられアメリカ側に間違って記録されている情報を訂正してほしい、またはウォッチリストの人物とは関係ない全くの別人なので訂正してほしいなどと要望することが出来ます。
Aさんの場合は、過去に登録したESTAの情報と現在有効なESTAの情報に齟齬があったようです。
そのため、ビザの取得ではなくまずは、今後スムーズに米国入国できるための策を問うためにDHS TRIPに問い合わせました。
問い合わせはフォームにてオンライン又はメールで可能です。郵送でも可能ですが、メールでの問い合わせが時間短縮の為推奨されています。
Aさんの場合、DHS TRIPに連絡をしたのちに、Redress Numberという救済番号を発行してもらいその後その番号を搭乗の際に申告することで以降の入国時にはスムーズに入国できるようになりました。
その番号を発行していただくまでに問合せから約3か月ほどかかりました。
通常DHS TRIPに問合せ後結果が出るまでに3か月から6か月ほどかかるようです。
Aさんのようなケース以外にも、
〇空港でチェックインした際にチケットを発行してもらえなかった。
〇飛行機への搭乗手続きが遅延した、または搭乗できなかった。
〇チケットを発行してもらう際に、担当の方が誰かに電話をかけていた。
〇エアラインエージェントから「あなたの名前が要注意人物リストにはいっています。」と告げられた。
〇入国のたびに、別室での追加審査を求められる、または入国を拒否された。
〇毎回入国手続きに時間がかかる
など搭乗手続時および米国入国時のトラブル発生の際や
〇過去に米国滞在中のI-94記録が正しくないためオーバーステイ状態になっている。
〇ESTA認証が不当に拒否される。
など米国入国前にすでに発生しているトラブル対処のための解決策の問い合わせにDHS TRIPは、使えるプログラムです。
AさんのケースはRedress Numberの発行をもって解決できたケースですが、決してすべてのケースにおいてRedress Numberが発行されるものではありません。
場合によっては、DHSより今後ビザ免除プログラムの使用はできませんとの回答をもらう場合やまたはさらなる審査のためにより詳しい情報の提供を求められる場合もあります。
その場合は、FOIAに自身で連絡をして書類の取得が必要となる場合もあります。
残念ながらDHSによる問題の解決がなされない場合は、ビザの取得で問題解決できる場合もあります。
米国入国時にトラブルが発生しお困りの方はDHS TRIPへの問合せについてまたはビザ取得について、当事務所にどうぞお気軽にご相談ください。
#アメリカビザ